病院ではなく薬局だからこそ描ける未来と意義|薬剤師のキャリア
2020.6.22

薬剤師として活躍する、創業メンバーのひとり堀田さん。
卒業後、薬剤師としてのキャリアをどう歩むのか。
病院勤務、薬局勤務、民間企業勤務など様々な選択肢がある中で、薬局勤務を選択した理由と背景について。
創業前と創業後に自身が感じる変化や成長実感などについてインタビューさせていただきました。
聞き手:株式会社FanReC 濵田
-堀田さんが薬剤師を目指されたのはどんなきっかけだったんですか?
もともとは家族に勧められたのがきっかけでした。
高校生の頃で、当時私は理系に進んでいましたが、「手に職をつけたい」と漠然としか考えていませんでした。
そんな中、家族に「薬剤師を目指してみたら?」とひょんなことから勧められまして。(笑)
それまではほぼ薬を飲んだ記憶もなく、
薬剤師という職業に具体的なイメージを持っていなかったのですが、「一度挑戦してみよう」と思ったんです。

-そうなんですね!
薬剤師としての自分を具体的にイメージされたのはいつ頃だったんですか?
薬学部の5年生の時でしょうか。
病院や薬局に実習生として実際に職業体験をした時ですね。
それぞれの場所で、いろいろと教えていただきました。
皆さん、自分なりの使命やキャラクターを持って働いていらっしゃって。
一重に薬剤師と言っても、それぞれ個性もあるし色んな人がいるんだなって(笑)
その体験がものすごく大きかったんです。
様々な考えを知ることができて、
わたしは「どんな風に働きたいのか」「どんなことをしたいのか」など自分のことを考える大きな転機となりました。
-薬剤師として、将来のキャリアを考えた分岐点
-なるほど。
就職をするときの選択肢としては薬局1本だったんですか?
いえ、最初は病院が良いなと思っていました。
それは実習の時にとても熱血な指導薬剤師にあたって楽しく学べて、自分と合っているかなと思ったからです。
-薬学部の方が就職するときは様々な選択肢がありますよね。
病院なのか?薬局なのか?はたまたMRなど民間企業なのか?
どんな風に考えられたのか具体的に教えてください!
そうですね!
私もすごく迷いました。
病院の場合、規模などによって「薬剤部」が確立されている病院とそうでない病院とがあるんです。
どちらになるのかによって仕事の進め方や患者さんと関われる範囲が変わってきます。
あと病院に就職をする場合は、大手の薬局と違って都道府県どこにでも店舗があるというわけではないので、
勤務地の点でどうしても選択肢が狭まってしまうなと思いました。
ずっとその病院や地域で働くことを決めているのであれば良いかなと思ったのですが、
将来的なキャリアアップによる転職やライフスタイルの変化などによって選択肢が狭まるのがネックだなと思っていました。
他方、薬局に就職をすると全国に店舗があるので勤務地の選択肢は広いですが、
店舗によって雰囲気も違いますし、関われる患者さんの特性などにも偏りが出てしまうんじゃないかと思っていました。

-なるほどなるほど。
最終的に薬局に就職をすることに決められたわけですが、決め手はなんだったんですか?
とても悩みましたが、最終的には「薬局業界の方が伸びしろがある」と感じたことですね。
どんな点かと言いますと、セルフメディケーション分野や、高齢化で増えていくと思われる在宅医療分野の部分です。
実習で教えていただいた、アメリカでの薬局の在り方に感銘を受けました。
日本は「皆保険制度」で、国民の義務として全ての方が加入しています。
でもアメリカは違って皆保険制度ではないので、もし受診や入院が必要になった場合は、
医療保険に入られている方は保険適応の負担割合ですが、医療保険に入られていない方は10割負担となってしまいます。
そのため、背景に根付いたのが「セルフメディケーション」という文化で、自分で予防するという概念です。
すると薬局の意義が日本とは大きく異なってくるんです。
個人の方がセルフメディケーションするためのサポートをするのも、アメリカの薬局の存在意義の1つなんです。
個人の方の健康をトータルで考えた「よき相談相手」のようなイメージです。
患者さんに対し、薬のことだけではなく健康という大きなテーマで寄り添う。
「そんな薬局を日本で根付かせていきたい」という想いに大きく共感を持ちました。
-なるほどですね!
また、就職当時はそこまで深くは考えていなかったのですが、在宅医療の分野も、まだまだ薬局としてやれることは沢山ありそうな気がして。
薬局は全国にたくさんありますが、
病院と違って実はまだまだやれることが沢山あるんじゃないかという印象を持ったことも決め手のひとつになりました。
病院は人も設備もいろいろなことが整っていますが、薬局は理想や夢などはあるのですが、まだまだ追いついていない印象でした。
「整っていないところを創造していくことが楽しいかもしれない」と思ったことと、
自分の性格的にルーティンワークが不得意で、
「こっちのほうがいいんじゃないか」とか自由な発想で今から作っていく過程を歩める環境に身をおきたいと思ったからです。

<薬剤師としてのキャリアについて>
・理想はあるけど道半ば。そんな魅力が薬局業界はにある。
・整っていないからこそ、アイデアや発想を生かせる環境である。
-創業前と創業での自身の変化とは?
-なるほど、ありがとうございます!
その後株式会社hitotofrom(まんまる薬局)を松岡さんや杉本さんと創業されるわけですね。
はい!
-堀田さんが考える「在宅」の価値ってなんでしょうか?
やっぱり、直接患者さんの状態を見て、お話を伺えるところじゃないでしょうか。
外来とは違い、在宅の場合は患者さんのホームなので心理的なハードルが下がり、自然とリラックスできる環境です。
そんな中で、時間をかけて対話することで、
実際に今困っていることや悩んでいることを拾いやすくなり、それを解決するために正しく動きやすくなります。
自分たちでは解決できなそうなことも、どこにパスを出したら良いかな?と着地点を探すクセもつきました。
患者さんだけでなく、その周りに関わっている人たちともチーム性を感じるのも良いですよね。
-ありがとうございます。
創業前と創業後にご自身の中での変化などがあれば教えてください。
そうですね。
「患者さんのためにできること、したいことができているか?」という視点から、
「患者さんのためにできること、したいことを、まんまる薬局のメンバー全員ができているか?」という視点になったところでしょうか。
みんなの働く環境や、マインドにも心配るというか。至らない部分も大いにあるんですが(笑)
薬局は色んな方々と関わって存在しているので、そのありがたさも強く感じています。
そのような視点を軸に、今足りてないところとネックとなっているところ、省略できるものを、実際とのバランスを見ながら考えていく。
ひとつひとつの取り組みに対しての軸がブレず、今何が必要なのかを考えて行動できるようになったと思います。
創業することで、理想の環境になっていないのは誰かのせいではなく、自分たちの力不足のせい、と言い訳する理由もなくなりました(笑)
0からみんなで作っていくという過程の中で、大変貴重な経験をさせていただいていると思っています。
-なるほど。
ひとりひとりが持っている「やりがい」や「好きなこと」、「個人として実現したいこと」と、
会社として目指しているゴールと大切にしている価値観をマッチして、
まんまる薬局で働いて楽しいと誰もが自信を持って言える状態を作りたいですし、そんな会社をみんなで作っていきたいですね。
<個人視点から組織視点に変わったこと>
・ひとつひとつの取り組みに対しての軸がブレなくなった。
・まんまる薬局が目指すことと、働くメンバーのやりたいことをマッチできるような会社にしたいという視点が生まれた。
-まんまる薬局で実現したいこと
-堀田さんが今後実現したいと思っていることを教えてください。
もっと「在宅」というものを世の中に広げていきたいなと思っています。
まんまる薬局は現在、板橋区をメイン拠点にしていますが、足立区や中野区の患者さんにも訪問させていただくことがあります。
でも、患者さんの視点に立った時に、住み慣れた地域の聞いたことのある馴染みの薬局が訪問した方が安心感があるのかなって思ったりします。
緊急対応も迅速に行ないやすいかもしれません。
まさに地域の薬局が、ゆりかごから墓場までを担うイメージです。
薬局が「近くにいる頼れる存在」でありたいと思っているので、私たちの経験がその土台作りに何かお役に立てたら良いなと思っています。
冒頭にお伝えしていたように、病院は薬局と違って整っていることが多い。
例えば、ナースコールボタンを押すと、すぐにドクターや看護師、薬剤師が駆けつけてくれる環境があります。
在宅でも少しタイムラグは生じますが、
患者さんのお家に医師や看護師、薬剤師、理学療法士、ヘルパーさん、ケアマネさんなど色んな連携している人たちが入ります。
病院と全く同じサポート環境ではないですが、
「在宅」の価値である自宅にいるからこそ持てる患者さん自身の安心感と自由をもちながら療養生活をしていける。
それを実現するために、地域全体で患者さんをサポートする「地域まるごと病棟」というまんまる薬局が目指している理想を作りたいです。

株式会社hitotofrom まんまる薬局では薬剤師、ボランチなど幅広くメンバーの募集をしております!
会社見学もウェルカムですので、興味をお持ちいただいた方は”TwitterのDM”よりご連絡をいただければと思います☆